専門家が語る「噛む」効果

噛むことがダイエットによい理由

先生、ダイエットってどうしてこんなにも種類があるのですか?

米山公啓

「決め手がないからでしょうね。決め手と言うのは、誰にでも効く特効薬のことです。例えば、狭心症には、ニトログリセリンがあるので、他のものが出てくることはありません。でも、残念ながらダイエットはそれがない。だから、雨後のタケノコのようにニョキニョキ出てくる。最近では、DVDを見ながら激しく運動するというものがブームになりましたが、特効薬にはなりませんでしたよね。“摂取カロリーを下げて、消費カロリーを上げる”という、ダイエット理論的にはどの方法も正しいはずなのに不思議でしょう?」

理論は正しいのに、なぜやせられないのですか?

「一言でいえば、継続するのが難しいからです。理論が正しいことと、それを実行するのは全く別の話ですからね。 “消費カロリーを上げる”ことでいえば、先のハードな運動のように苦痛が伴い続かない。“摂取カロリーを下げる”ことは、食べる量を減らすという意味ですが、これこそが最大の難関!なぜなら、食べることは生命維持のための根源的な欲望だからです。この圧倒的なパワーに立ち向かえる人間はいないでしょう」

欲望に勝てる方法はないのですか???

「食べたい!という最強の欲望を司る器官って、どこだと思いますか?胃や腸でしょうか? …実は“脳”なのです!脳の中心にある視床下部には、“もっと食べろ”と命令する摂食中枢と、“もう満腹!食べるな”と命令する満腹中枢があり、車のアクセルとブレーキのような関係を担っています。この食欲のコントロールタワーを利用すれば、欲望に勝つことは不可能ではありません。つまり脳をダマすのです」

脳をダマすとは、どういうことですか!?

「脳は、私たちの意識や身体を支配する“司令塔”ですが、一方でダマされやすく、多くの間違いを犯します。視覚においては、見えないものが見えたという“幻覚”や、聴覚では、聞こえてないのに聞こえたという“空耳”がありますよね。つまり、たくさん食べてないのに、食べたという脳の“錯覚”もあるというわけです」

具体的に、どうやってダマすのか教えてください!

「先ほど、二つの食欲中枢についてお話しましたね。ダマすというのは、満腹中枢の方です。よく早食いの人は太るといいますが、それは満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまうから。食べ始めてから“もう満腹!食べるな”と命令がくだるまで20分かかるといわれていますが、ここで最も重要なのは、その間 “よく噛んで、ゆっくりと食べること”。そうすることで、少量でも満腹になったと感じ、欲望から解放されるのです。

著書では、脳をダマす11のコツとして、ダイエット実行中のポイントを紹介しています。最近では、よく噛んでゆっくり食べられるよう工夫された優秀なダイエット食品も市販されているので、上手に取り入れると良いかもしれませんね。」

Profile
米山公啓(よねやま きみあき)

米山公啓

聖マリアンナ医科大学で超音波を使った脳血流量の測定や、血圧変動からみた自律神経機能の評価などを研究。老人医療・認知症問題にも取り組む。外勤先の天本病院(東京都多摩市)にて在宅医療にも10年以上参加。健康管理部に於いて、ニコチンガムを使った禁煙教室を実施した。
1998年に内科助教授を退職。本格的な著作活動を開始。
現在も週3日、東京都あきる野市にある米山医院で診療を続けている。

今すぐ実践!
米山式!脳をダマす11の方法

  1. よく噛んでゆっくり食べる
  2. 液体より固体を
  3. 硬いものを食べる
  4. 食事を出す順番を工夫する
  5. 値段の高いものを食べる
  6. 食材は大きめにカットする
  7. 小分けにする
  8. 会社に30分早く行く
  9. 1人で食べない
  10. 食材を増やす
  11. 手を使わないと食べにくい物を食べる

脳をダマせばこんなにやせる

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